吉田みく「誰にだって言い分があります」

愛犬のために「洋服も、幼稚園も、次の子も…」金銭的理由で子供をもたない選択をした夫婦が迎え入れたチワワとの生活 やはり直面するお金の問題

ペットは家族だからこそ、愛情もお金も惜しみなく注ぎたいという思いもあるが…(イメージ)

ペットは家族だからこそ、愛情もお金も惜しみなく注ぎたいという思いもあるが…(イメージ)

 ペットフード協会の最新調査結果によると、犬猫を合わせた飼育頭数は推計1591万頭だった(2023年12月公表の「令和5年全国犬猫飼育実態調査」)。犬は前年より20万頭減少、猫は横ばいで、全体として減少傾向にあるとはいえ、子供の数を大きく上回る状況が続いている(総務省が発表した今年4月1日時点の15歳未満人口は1401万人)。だが、ペットを飼い始めたことで、予想外の出費に悩まされるようになるケースもあるようだ。フリーライターの吉田みく氏が、昨年、夫婦で「チワワを我が子として迎えた」という30代女性の事例をレポートする。

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 近年、犬や猫などの動物を我が子のように大切に飼育する人が増えている。夫と二人暮らしという都内在住の会社員・カオリさん(仮名、39歳)が言う。

「結婚当初は子供を持つことを考えていましたが、キャリアのことや子育てにかかる費用のことなどを考えているうちに、夫婦だけで暮らしていく選択をしました。昨年、チワワを我が子として迎え、夫と一緒に大切に育てています」(以下同)

 愛犬の洋服を買ったり、こだわりのフードを選ぶのが楽しいと話すカオリさん。近所の散歩コースで一緒になる女性と“わん友”になったりと、充実した毎日を過ごしているそうだ。

「両親からは『犬じゃなくて孫の顔が見たい』と言われて傷ついたこともありましたが、私にとって我が子は愛犬。いない生活は考えられません。一緒の時間を充実させるためにも、わん友コミュニティを広げていきたいと思い始めるようになりました」

 カオリさんは愛犬の名前のSNSアカウントを作成。普段の様子や購入した飼育グッズなどを毎日のように投稿した。その甲斐もあってフォロワーは1000人を超えるまでになったという。SNS上で“わん友”との繋がりも自然に増えていき、会える距離に住んでいる人とは一緒に散歩やランチをするまでになった。

「おすすめのドッグランについてや、ペットフレンドリーなお店の情報を交換するなど、愛犬トークはとても盛り上がります。コミュニティも大きくなり、複数人で会う機会もあるのですが、頭を抱えることも増えてきました……」

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