吉田みく「誰にだって言い分があります」

ペットのしつけ問題 犬友達から「犬の保育園」を勧められた40代女性の焦り

しつけに悩む愛犬家は多い(イメージ)

しつけに悩む愛犬家は多い(イメージ)

 ペット市場が活況を呈している。特にコロナ禍で在宅時間が増えるなど生活様式の変化に伴い、新たに犬や猫を飼い始める人が増えた。ペットフード協会の調査によると、2021年の全国新規飼育頭数は犬が39.7万頭、猫が48.9万頭と、いずれもコロナ前より高い水準で推移。「家族の一員」という認識の広まりから室内飼いが増え、ペットの長寿化が進行するなか、飼育にかかる費用も増えている。しかし、ペットの「何」に「いくら」お金をかけるかは人それぞれ。ペットの躾(しつけ)にどこまでお金をかけるべきか悩んだという40代の会社員女性に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。

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 夫と愛犬と暮らす、都内在住の会社員チカさん(仮名、45歳)は、犬友達との価値観の違いにモヤモヤとしていることを話してくれた。

「私たち夫婦は、昨年から飼い始めたミニチュアシュナウザーを我が子のように可愛がっています。SNSに愛犬との日常を投稿しているうちに、徐々に犬友達が増え始めました。最初は共通の話題で盛り上がれる素敵な友人ができたと思っていたんですが……」(チカさん、以下同)

 チカさんは普段、月1回のトリミングに1万5000円を使い、犬の健康維持に良いとされるドッグフードを購入するなど、愛犬のことを第一に考えた生活をしているという。

 SNSに行きつけのサロンの話題やペアルック写真などを投稿すると、徐々にフォロワーが増えていったそうだ。SNSのやりとりがきっかけで親しくなった人と実際に会って一緒に犬の散歩をしたり、ペットが同伴できる喫茶店でお茶をしたりするなど、とても素敵な時間を過ごしているという。しかし中には、上手く付き合えなかった犬友達もいた。

「SNSで知り合ったAさんと、一緒に散歩に行ったときの出来事でした。初めての場所で不安だったのか、うちの子が私にくっついて離れないことがあったんです。その様子を見たAさんから、『素人のお世話だけじゃだめよ、プロのドッグトレーナーからアドバイス受けなくちゃー』と、上から目線で言われました。イラっとはしましたが、この子のためになるなら、とAさんから話を聞くことにしたんです」

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