コロナ禍明けから始まったインバウンドの勢いがとどまることを知らない。日本政府観光局(JNTO)の調べによると、2024年3月の訪日外客数は約308万人と初の300万人を突破。円安も追い風に、4月、5月も訪日外客数は300万人を超え、夏本番となるこれからの休暇シーズンには、ますます多くの外国人が押し寄せてくることが予想される。
訪日外国人の増加は、大きな経済効果獲得や地域活性化など、日本経済にとって喜ばしい一面もあるが、衛生面やマナーなど、オーバーツーリズムの問題も浮上してきている。その一つに、“香り”もある。
電車内で気分が悪くなり…
当然ながら国によって習慣や体質、気候の違いがあり、感じ方も人それぞれではあるが、こと日本において、訪日観光客が使用する香水やデオドラントなどの香りがきつく感じられるという声は少なくない。
電車内の“香り”に悩んでいると話してくれたのは、都内のメーカーに勤めるKさん(20代女性)。元々乗り物酔いをしやすい体質ということもあり、電車内できついにおいがすると、「具合が悪くなる」という。
「今の季節、多くの電車は冷房を効かせるために締め切られた状態になっています。以前から、空気が逃げない場所では柔軟剤や制汗剤のにおいがしてくると気分が悪くなってしまうのですが、最近は特に外国の方の香水のにおいが厳しい。においを感じたらなるべく移動するようにしていますが、混んでいる電車では逃げ場がない。もちろん香水をつけている方が悪いとは言えないので、我慢するしかないのですが……」(Kさん)