日経平均の乱高下が続き、市場の先行きは不透明極まりない。8月5日には前週末比4451円安という“ブラックマンデー超え”の過去最大の下げ幅を記録したが、その後は急反発も見せた。なかなか先行きが見通せないなかで、株式投資で億単位の資産を築いた「億り人」はどう動いたのか。資産8億円、年間配当金は2000万円を超える高配当株投資の達人・かんちさんに話を聞いた。
かんちさんは、もともと三重県の消防士だったが、49歳の時に株式投資で資産2億円を築いたことで早期退職。退職後は生活費をすべて株の配当金と株主優待でまかなう生活をしている。投資歴40年以上で、保有銘柄は600を超える超分散投資を実践する。
かんちさんは今回の乱高下相場への突入を予想できなかったと振り返る。
「地震の予想と同じで、いずれ暴落は来るのはわかっていても、いつ、どのような理由で来るかはわからないものと考えています。もしわかる人がいれば、空売りで大儲けできますからね。ただ、値下がりする時はそこそこの値幅になるとは思っていた。理由は2点あって、日経平均の絶対的水準が高いことと、信用の買い残(信用買いをされて決済されずに残っている株式の残高。将来の売り圧力の目安とされる)が発表されるんですが、1~2週間前から過去最高に達していたからです。
暴落時の資産の目減り額は、正確には把握していないですが、概ね1億3000万~1億4000万円になるんじゃないでしょうか。約8億円あった資産が一時は7億円割れになって、その後に7億円程度までは回復していると思います」
「6か月ほどで株価は戻る」と予測
今後の市況を見通せないと悩む人も多いなか、かんちさんはどう対応すればいいと考えているのか。
「過去の暴落後は、時間がかかったとしても元の資産額に戻っています。暴落しても慌てて売らずに、長く持つことです。大前提として、投資は何が起こるかわからないという気持ちでやったほうがいいと思います。あたふたするのではなく、たとえば『暴落したらこれだけの資金をこれだけ入れる』といったことを決めておくべきでしょう。自分で設定した決まりごと通りにやれば、最悪のケースでもパンクはしないと思います。何も決めていないから慌てるわけで、下がる時もそうですが、上がる時も“この水準になれば売る”と決めておくべきです。そのほうがうまくいくでしょう」