快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた

「新基準原付」登場で過渡期を迎える小型レジャーバイク そのパイオニア的存在「ホンダ・ダックス125」の侮れない“走りの実力”

ホンダ・ダックス125。車名の通りダックスフンドをイメージさせる個性的なデザインがレジャーバイクとしての人気を半世紀以上維持してきた

ホンダ・ダックス125。車名の通りダックスフンドをイメージさせる個性的なデザインがレジャーバイクとしての人気を半世紀以上維持してきた

 猛暑にも終わりが見え、行楽シーズンがやってくる。目的地や予定を決めず、ただゆったりと、サイクリングで言えばちょうど「ポタリング気分」と言った気楽なツーリングは楽しいはずだ。そんなときに重宝するのが、コンパクトで取り回しのいいバイク。爽やかさを含んだ風の中を、レジャーバイクでゆったりと気分よく走りたい。シリーズ「快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた」。今回は、自動車ライターの佐藤篤司氏が、レジャーバイクの代表格として知られる「ホンダ・ダックス125」をレポートする。

転換期を迎えた“日本のレジャーバイク事情”

 記録的な酷暑に悩まされた夏が、少しだけ終わりが見え、外遊びやツーリングにちょうどいい季節が始まります。そこで、ちょっと近所にお買い物とか、近場の日帰りツーリングなどと考えると、パートナーとしては第1種原付&第2種原付に区分される「レジャーバイク」が思い浮かびます。扱いやすいコンパクトなボディに、燃費に優れた排気量50ccから125ccまでのエンジンを搭載したレジャーバイクの対応力は、やはり魅力的。

 ただ最近、これまで庶民の手軽な足として活躍していた50cc以下の原付1種、いわゆる「原チャリ」は、より厳しくなった「令和2年(2020年)度排出ガス規制」に適用できません。この規制が継続生産車に適用されたのは2022年11月からですが、原付1種については3年の猶予期間が与えられ、「2025年11月適用」となっています。つまりこの猶予期間の間にこれまでの原付1種は生産を終え、以降は「新基準原付」と呼ばれるバイクが製造される予定になっています。

 その新基準原付ですが「総排気量は125cc以下、エンジン最高出力4kW(5.4ps)以下」といった条件をクリアしなければいけません。少々ややこしいのですが、排気量はこれまでの原付2種(50cc超~125cc以下)と同じでありながら、パワーは4kW(5.4ps)以下に抑えられたバイクということになります。当然ながら新基準原付は、従来の原チャリに相当する存在ですから原付免許や自動車免許でも乗ることができる予定。一方で排気量は50ccを越えていても、道交法上はこれまでの原付1種と同じ扱いで「最高速度30km/h、2段階右折あり、2人乗り禁止」などの法規制が摘要される予定です(2024年8月時点での情報です。現在、最終調整が行われています)。

 そこで、これまで以上に注目を集めるのが排気量51cc~125cc、道路運送車両法では「第2種原動機付自転車(原付2種)」といわれるバイクです。2人乗り可能で制限速度は時速60km/h、運転免許の種別で言えば小型2輪免許(AT限定もOK)、普通2輪免許、大型二輪免許のいずれかがあれば乗れます。

 今、ひとつの過渡期を迎えている日本の小型レジャーバイクですが、そのパイオニア的存在といえば「ホンダ・ダックス(以下、ダックス)」でしょう。日本で発売が始まった1969年以降、2度の製造中止を乗り越えながらも、現在まで人気を維持してきたダックス。シートの高さも低く、足着きはよく、オンでもオフでも対応できそうな太いタイヤを装備し、全体のフォルムはその名のとおり、犬のダックスフンドに似た愛らしさがあります。

 町中はもちろん、自然の中においてもその姿は楽しい雰囲気を醸し出し、外遊びやポタリング的な使い方をしてみたくなります。この辺はスーパーカブをベースとして人気となっている「ハンターカブ」や「クロスカブ」とは、ひと味違った魅力に溢れています。

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