昨今、性病の感染者数が激増している。特に都内での梅毒感染者が増加傾向にあり、東京都感染症情報センターの集計によると、2024年1月1日~9月8日まで累計2549人にのぼる。これは2023年に記録した過去最多の3701人と同水準の推移だという。
性病の蔓延には、若い女性の“立ちんぼ”などの売春行為や風俗、SNSでの出会いの増加など、不特定多数の病原体保有者との性交渉が関係しているとされる。なかには、働き方改革により「自分の時間」が作りやすくなった男性が感染しているケースもあるようだ。
薬のせいで発熱も「在宅勤務で助かった」
都内でシステム設計の仕事をしているTさん(20代男性)は、ここ数年、月に2回ほど都内の派遣型風俗店を利用する生活をしていた。コロナ禍を経て在宅勤務が当たり前になってからは「仕事が終わると同時に遊べる」として、より頻繁に利用していたというTさんだったが、今年2月に男性器に異変を感じた。確認すると見覚えのない傷ができている。すぐさま病院に駆け込み血液検査をすると、「梅毒」と診断された。
「心当たりがある」というTさんが、梅毒になった時の状況を振り返る。
「特定の交際相手もいなかったので、感染源は風俗一択。病院で処方されたのは、皮膚の炎症を抑える塗り薬と飲み薬です。この飲み薬が厄介で、一日3回朝昼晩の食後に服用する必要があるのですが、発熱、頭痛、めまいなどの症状が現れることがあるという事前の説明通り、次の日に発熱と頭痛、倦怠感の症状が出ました。37度後半の熱が一日中続き、立ち上がるのもやっと。最悪の気分でした」(Tさん)