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大山悠輔・甲斐拓也・高橋周平…年俸に比してもっともお得な選手は誰か?「FA候補選手のコストパフォーマンス」を検証

FA候補選手のコスパに注目(左から阪神・大山悠輔、ソフトバンク・甲斐拓也、中日・高橋周平/時事通信フォト)

FA候補選手のコスパに注目(左から阪神・大山悠輔、ソフトバンク・甲斐拓也、中日・高橋周平/時事通信フォト)

 NPBのFA(フリーエージェント)有資格者が権利を行使できる申請期間が11月5日に始まった。同13日までの9日間に在籍球団へ申請した選手が同14日に公示され、翌15日から他球団との交渉が解禁される。当然、争奪戦となれば高額年俸や複数年契約が提示されることになり、年俸は大幅にアップする。球団としては高額年俸に見合う活躍を期待するのだろうが、FA候補たちは今季、どれぐらいの“コストパフォーマンス”だったのか。検証した。

 今オフは111人がFA有資格者として公示された。すでにFA権行使を決めた選手もいる中で、ギリギリまで熟考中の選手も少なくない。球団内のポジション争いも関係するし、他球団の補強ポイントもFA権行使の重要なファクターとなる。

 本誌・週刊ポストでは、プロ野球を各種データから分析した『データ・ボール』などの著書があるライター・広尾晃氏協力のもと、年俸(推定、以下同)と今季成績(打者なら安打数、投手なら登板イニング数)から各選手の“コスパ”を算出。今季一軍の試合に出場した投手348人、野手319人をランキング化した。ここでは、そのなかでFA権を行使する意向、または熟考中といわれる選手のコスパを検証してみよう。

捕手ではソフトバンク・甲斐より阪神・坂本のコスパがいい

 今年のFA戦線において注目されるのが捕手である。今年、権利を初取得した大城卓三(巨人=年俸1億3000万円、31)、坂本誠志郎(阪神=同7000万円、31)、木下拓哉(中日=6800万円、32)、甲斐拓也(ソフトバンク=同2億1000万円、32)ら主戦級の動向が注目される(木下はFA権行使を表明)。

 前述のランキングで野手は「1安打あたりの年俸」を計算した。今オフは残留とされる選手も含め、FA有資格者の捕手のコスパを悪いほうから順に並べると下記のようになる(◎が権利行使・熟考中とされる捕手。順位は一軍出場全野手319人の中でのもの)。

●74位・會澤翼(広島、36)1安打あたり392.9万円
●79位・伊藤光(DeNA、35)1安打あたり361.1万円
●84位・戸柱恭孝(DeNA、34)1安打あたり340.9万円
●99位・梅野隆太郎(阪神、33)1安打あたり285.7万円
●115位・中村悠平(ヤクルト、34)1安打あたり246.4万円
◎116位・甲斐拓也(ソフトバンク)1安打あたり238.6万円
●124位・若月健矢(オリックス、29)1安打あたり226.4万円
●140位・小林誠司(巨人、35)1安打あたり187.5万円)
◎141位・大城卓三(巨人)1安打あたり180.6万円
◎150位・木下拓哉(中日)1安打あたり165.9万円
◎153位・坂本誠志郎(阪神)1安打あたり162.8万円

 こう見ると、打者として比較的コスパのいい捕手がFA移籍を視野に入れているように見えるが、広尾氏はこう解説する。

「最もコスパがいいFA有資格捕手は153位の坂本だが、319人の野手のなかでは真ん中のレベル。もちろん打てる捕手が理想だが、今の球界にはなかなかいないということ。FA市場での動向は、打撃以外にリードやキャッチング、盗塁阻止率なども重視されることになるでしょう」

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