株を貸すことで貸株料を得ることができる
貸株とは、保有している株式を証券会社を通じて他の投資家に「貸す」ことで、貸した期間に応じて「貸株料」という収益を得られる方法だ。どのような仕組みで、注意点は何があるのか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第136回は、「貸株」について。
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「株を持っているだけでお金がもらえる」と聞くと、少し不思議な感じがするかもしれませんが、じつは、そんな“おいしい”仕組みがあります。それが「貸株(かしかぶ)」です。最近では多くのネット証券でも対応していて、資産を有効活用する手段として注目されています。
貸株ってどういう仕組み?
貸株とは、保有している株式を証券会社を通じて他の投資家に「貸す」ことで、貸した期間に応じて「貸株料」という収益を得られるサービスです。
株を借りるのは、多くの場合プロの投資家や機関投資家。空売りなどに使うために一時的に株が必要な人たちです。貸した人はその間、株を手放すわけではないので、株価の値上がり益はそのまま狙えます。
さらに、貸株料は毎日自動で計算され、月ごとに入金されるのが一般的。設定さえしておけば、特別な手続きは必要ありません。
貸株のメリットは?
貸株の最大のメリットは、株を持っているだけで追加の収益が得られること。たとえば、年率1%の貸株料がつく株を100万円分保有していた場合、年間1万円の収入になります。
しかも、その株を売るわけではないので、値上がり益を狙いながら「ちょっとした利息」も得られるという、一石二鳥の仕組み。普段あまり売買をしない長期保有の人にとっては、特に魅力的です。
また、証券会社によっては「自動貸出設定」にしておけば、何もしなくても貸株が始まり、いつでも解除できます。