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旅行広告に多い「最安値」「自由行動」──本当の意味

旅行広告の落とし穴に要注意

旅行広告の落とし穴に要注意

 危ない広告がある一方で、利用者にとって“掘り出しモノ”があるのもまた事実。このような業者に騙されることなく「本当にお得なツアー旅行」を選ぶにはどうすればいいか。旅行のエキスパートたちに、旅行広告を正しく読むためのノウハウを聞いた。

大手が良いとは限らない

 新聞広告を出す企業は「JTB」や「阪急交通社」などの大手から、「風来人」「東海汽船」などの中小まで様々だ。

 大阪観光大学観光学部教授・中村忠司氏は「必ずしも大手だけが優良ツアーを提供しているわけではない」と指摘する。

「中小でも『ニッコウトラベル』はシニア向けでゆとりのある日程の欧州旅行、『クルーズのゆたか倶楽部』はクルーズ旅行、『アルパインツアー』は海外の山登り旅行など、独自の強みを持つ会社は多い。企業名に惑わされず、行きたい地域などに合わせて旅行会社を選ぶことが大事です」

「最安値」は“おとり”の可能性がある

 できるだけ安いツアーを申し込みたいのは当然だが、新聞広告でよく見る「最安値」には気をつけたい。

「最安値と書かれたツアーは残り枠が少ない“おとり商品”なのですぐ売り切れ、その後の客の問い合わせに、『すでに満席です。少し割高になりますが食事内容や泊まる部屋がアップグレードされた別のツアーがあります』などと勧める会社がある。『少しの値段の違いでアップグレードしてくれるなら……』と口車に乗せられてしまう人もいますが、実際は大したアップグレードでもないのに値段だけ割り増しされていることもある」(旅行業界関係者)

 代案を提示されたら一度電話を切り、他の旅行会社を探すことも含め再検討すべきだ。

「昼食フリー」「自由行動」は“自由度”が低い

 広告には、虫眼鏡で見なければ読むことができないような文字が並ぶ。面倒だからと読み飛ばしてしまったり、専門用語の“裏の意味”を知らないと大損する可能性がある。

「『昼食フリー』『昼食自由』などと書かれていれば、“好きなものを食べにいける”と思いがちだが実態は違う。昼食時に添乗員から1時間に満たない自由時間を提示されても、レストランを探してゆっくり食事をするのは難しい。そんなところに『こちらが用意している弁当なら時間が無駄にならない』とツアー代金には含まれない料金がかかる弁当を勧められることがある。これだと余分な出費がかかるうえにご当地グルメも楽しめない」(同前)

「自由行動」「フリータイム」も要注意である。“自由”とはいえ、次の集合時間と場所が決まっているからだ。

「結局どこに行けばいいかわからず、添乗員が勧める『オプショナルツアー(別料金)』に参加してしまう。その出費をケチれば、集合場所で座って待つことに。事前に行動が組み込まれているツアーの方が安上がりになることもある」(同前)

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