親や夫が突然亡くなってしまったら、まずはその財産を探さなければならない。通帳に遺された預金だけでなく、電子マネーや各種ポイント、航空会社のマイレージなど様々あるが、いずれも適切な手続きを踏めば、遺族が相続することは可能だ。
では、仮想通貨はどうか。相続に詳しい税理士の岡野雄志さんが言う。
「仮想通貨はお金と同等の価値があるため、相続財産として税金がかかる場合があります。そのため、事前に家族が知らないまま相続財産の申告から漏れていた場合、ペナルティーとして追徴課税の支払いを命じられることもあります。
国税庁は、『たとえパスワードがわからず引き出せなくても、課税対象になる』と発表しています。つまり、仮想通貨を受け取れなくても、税金だけかかるということ。ひどい話ですが、仮想通貨に関しては、まだ法整備が追いついていないのが現状です」
だからこそ生前、記憶がしっかりしている内に聞き出して把握しておく必要がある。いちばんよいのは、家の中の見つけやすいところに、仮想通貨はもちろん、パソコンやスマホのIDとパスワードを紙のメモに残しておくことだ。
そうすれば亡くなった後、故人のパソコンのブラウザに登録している「お気に入り」や「履歴」、メールなどから、仮想通貨だけでなくネット銀行の口座などの痕跡を探し出せる。多くが電子化された時代だからこそ、紙で残しておくことが有効なのだ。
※女性セブン2019年2月7日号