イギリスのEU離脱問題が不透明感が増す中、ポンドの動きに注目が集まっている。ポンド/円はFX(外国為替証拠金取引)トレーダーの間でも人気の通貨ペアのひとつだが、今後はどのような動きが予想されるのか。FXのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが解説する。
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イギリスは10月までのEU離脱延期が決まった後、参加する・しないでもめていた欧州議会選挙にも参加する方向で決まりました。そしてメイ首相は、6月第1週に離脱協定法案を提出すると公表し、その後からポンドが売られる動きとなりました。
やはりこのような動きとなると、個人投資家の間からはポンド円の下落について不安視する声も聞こえていますが、ここで重要なのは、相場を不安に感じるのは、なんとなくなのか、明確な理由があってのことなのか、ということです。
マーケットが売っているからといって、同じ方向になんとなくポジションを持ってしまうと損失を被るケースは少なくありません。だからこそFXマーケットでは「9割が敗者」と言われているのです。
このような局面でも、投資家がすべきことは変わりません。チャートをきちんと分析して、自分自身のロジックやタイミング、資金管理を徹底しながらポジションを持つことが重要です。
個人的なポンド円の長期的な見通しは変わっていません。リーマンショック時の1ポンド=197円の窓を埋めていないことから、長期的にはその窓を埋めにいくと考えています。
今年の動きを整理すると、年初につけた安値131.89円から3月に148.90円まで一度上昇するも、再度下落基調を強めており、140円台から130円台後半まで下落する動きとなっています。
この水準までくると「また130円付近まで下落するのでは?」という不安を抱えてしまう人もいるかもしれませんが、こうした心理的な不安をなくすためにチャートを信じることが大切になります。チャートは、先行きを全て教えてくれるものであり、ニュースで動いたように見えても、その前にチャートでその予兆というものは判断できると、私は考えています。