働き方改革を叫ばれる昨今、フレックスやリモートワークなど多様な働き方が広まりつつある。そんな中、職場の「朝礼」という慣習に違和感を覚えるという声が上がっている。
インターネットリサーチのNEXERによれば、毎朝職場で朝礼を行っていると答えた人は37.5%。朝礼の必要性については、「必要だと思わない」と答えたのは54.6%だった。半数以上の人が、朝礼は不要だと考えているのはなぜか。当事者たちの本音を聞く。
30代会社員のAさんは、働き方改革とは無縁だったという中小企業に10年ほど勤めていたが、昨年5月にかねてからの業界の斜陽と部署の縮小を機に転職を決意。今年1月からIT企業に勤務しているが、朝礼はない。
「フレックス勤務があって柔軟に働けることはもちろん、朝礼がないというのはいいですね。今思えば、1分間スピーチとか今日の予定を共有、ラジオ体操をする意味ってなんだったんだろうと思います。働き方改革が進むなか、冷静に考えると、朝礼はオワコンというか、時代に沿っていないですよね。しかも、朝礼は勤務時間外でしていて、手当とかなかったですから」
会社がフレックス制度を導入しているにもかかわらず、朝の15分の朝礼のために出社を余儀なくされている人もいる。30代の女性会社員・Bさんだ。
「フレックス制度を導入したのに、なぜ朝礼を廃止しなかったのか。しかも、コアタイム外という謎仕様。名ばかりフレックスだし、これでは無意味なのでは……。満員電車に乗って朝礼のために出社ってバカげていませんか?」
朝礼なしでもメールでほぼ代替できるのではないかと、Bさんは主張する。
「職種によるとは思うんですが、少なくとも事務系の職場には朝礼の必要性を感じません。もし、どうしてもしたいなら、せめて週1にするとか、オンラインとかにしてほしい。朝礼はむしろ朝からテンションが下がるので勘弁してほしい」(Bさん)