6月3日、麻生太郎財務相(78才)がトップを務める金融庁が、「高齢社会における資産形成・管理」と題した報告書を発表した。
政府はその報告書の中で、年金暮らしの平均的な高齢夫婦の生活費は、「毎月5万円の赤字」が続き、65才で定年を迎えた場合、20年後の85才時には1300万円、30年後の95才時なら2000万円が不足する。だから、国民はそれぞれ自助努力でその不足分を補うべきだと提言した。
現役時代にしっかりと資産を作っておかないと、体が動かなくなり、働けなくなってからでは、資産を増やすのは難しい。だが、昨今は現役世代の収入も急減していて、日銀によると、ほぼすべての世代で「貯蓄ゼロ」世帯が急増。具体的には、20代で61%、30代で40%、40代で46%、50代で43%が、貯蓄ゼロだ。リタイア時(65才)で貯金や資産がなければ、目の前に迫るのは「老後破産」だ。一刻も早く対策を打つほかない。
30~40代の働き盛り世代はどう考えればよいか、「年金博士」として知られる社会保険労務士の北村庄吾さんが話す。
「今30~40代の人は、年金受給開始年齢が、現在の65才から68才に引き上がるでしょう。実質的な年金額は今後、確実に目減りするため、今から準備しておくことが大切です」