高齢ドライバーによる事故が多発するなか、ドライブレコーダー(以下、ドラレコ)を通じた各種サービスが注目されている。これらは保険会社が行っているもので、自動車保険の特約として『ドラレコ付き自動車保険』というオプションを付けると、契約者にドラレコ本体が貸与され、各種サービスを受けられるというものだ。
その1つが、事故発生時に自動的に保険会社に報告がいき、事故前後の映像が転送され、オペレーターがサポートしてくれる、というサービス。他にも事故発生に至らぬ用、ドラレコが運転者の傾向やクセなどを把握してレポートしてくれたり、道路上の危険箇所を察知して警告音で教えてくれる、というサービスもある。
これらのサービスは、東京海上日動火災保険が2017年4月から始めたものだが、同社の契約数は約22万件に到達。三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険の2社は合算で10万件を突破。損害保険ジャパン日本興亜は8万人を超えた。金額的に見ても、従来加入している自動車保険に月額650~850円、年間1万円程度の加算ですむということが加入者増を後押ししているという。そのサービス内容を保険会社ごとに見てみよう。
【三井住友海上火災保険/あいおいニッセイ同和損害保険】
三井住友海上火災保険・あいおいニッセイ同和損害保険という、MS&ADグループ傘下の2社は、ドラレコ特約を共同開発した。
「急加速や急減速、ふらつきなどをした時にアラート(警告音)が鳴ります。高速道路での逆走、日常的に使用していない道路での走行時にも注意を喚起します。また、道路上の白線を検知し、車線をはみ出しそうな場合には『車線逸脱アラート』が、前方車両との車間距離が縮まりすぎると、衝突の危険を検知する『前方衝突アラート』が鳴り、注意を促します」(あいおいニッセイ同和損害保険担当者)
そして両社とも、ドライバーの運転を客観視できる「運転診断レポート」を用意している。
「毎回の運転をA~Dの4段階で評価しアドバイスする『運転診断レポート』は、走行ルートやアラートを検知した地点を確認できます。
『月間運転レポート』は前述の運転診断レポートを総合的に分析し、100点満点で評価します。道路種別ごと、毎月の評価の推移なども確認でき、住んでいる地域や年代ごとのランキングも表示されるため、楽しみながら安全運転を心がけることができます。
見守り者としてご家族などを登録すると、運転者の運転状況『見守りレポート』が毎月届くため、数値化された客観的な運転診断レポートをもとに、運転状況について、ご家族で話し合うきっかけにもなると考えております」(三井住友海上火災保険担当者)