2007年に中国産の冷凍餃子を食べた日本人10人が食中毒を訴えた「メタミドホス混入事件」からおよそ12年、「中国産食品」への不安はいまだ消えない。都内在住の50代女性はこう話す。
「餃子の事件のほか、鶏肉の消費期限切れ事件などの印象が強いし、PM2.5や水質汚染などの影響も心配。多少高めでも安心できる国産を選んでしまいます」
都内の中堅スーパー食材売場担当者もこう指摘する。
「中国産食品を買わない人は徹底していて、国産の半額でも手を出さない人が多い。特に年輩の方や子連れの母親は警戒心が強いように思えます」
そうした行動を取る人たちが必ずチェックするのが「原産地表示」だが、外食産業ではその表記がややこしい。
「2017年9月に食品表示法が改正され、すべての加工食品について、原材料のうち最も量が多いものの原産地表示が必要になりました。しかし、外食メニューには明確な規定がなく、産地表示の義務はありません」(農水省消費・安全局消費者行政・食育課)
外食業界は今年3月に原産地表示の新ガイドラインを作成したが、運用は各社の自主性に委ねられる。
外食産業の中でもとりわけ気になるのは「鮮魚」を扱う回転寿司だ。回転寿司の市場規模は年々拡大して2018年に6000億円を突破。ファミリー層を中心に人気の高い回転寿司のネタに、「中国産」はどのくらいあるのか。
「スシロー」「はま寿司」「くら寿司」「かっぱ寿司」「魚べい」の5大チェーンがHPで公開する情報から、「定番ネタ20」の原産地をリスト化した(別掲)。