文章作成時の基本ともいえる「改行」。紙媒体からWeb媒体、そしてLINEやTwitterなどのコミュニケーションツールが当たり前になった今、文章作成の“常識”が揺らぎつつあるようだ。若者の「改行離れ」の実態はどうなっているのか。
30代の男性会社員・Aさんは、「改行という概念は、もはやないのかも」と新入社員のメールを見て驚いた経験を明かす。
「適切な改行を入れることがメールのマナーと思っていたんですが、新人の彼が送ってきたメールはほとんど改行がなく、まるでTwitterみたいな感じ。本当に読みにくくて、もしこれをそのままクライアントにも送っていたらと思うとゾッとしました」
Aさんはその後、慌ててビジネスマナーとしてメールの文章を指導したが、新人から返ってきたのは意外な言葉だった。
「『相手はスマホで見るだろうから、改行するのはかえって読みにくいと思います。変な区切りになるじゃないですか』と反論されてしまいました。確かにスマホで見る人も多いと思いますが、ビジネスにおいてはPCやタブレットで見ている人も少なくない。まずそこを理解させなくてはいけませんでした」(Aさん)
40代の会社員男性・Bさんも、新人の日報で改行習慣のなさを感じたことがあると明かす。
「読み手のことを考えていないのか、改行がなく、句読点も少ない。まるでSNSの字数制限で苦しんだような文章でした。せめて箇条書きにしてほしかった。改行しない理由を尋ねると、『そもそもなぜ改行するのか?』と逆に質問されてしまいました」