少子化ではあるものの、大学全入時代に突入し、受験人口は増加の一途を辿っている。都市部を中心に、中学受験も市民権を得て久しい。
受験の世界では、よく「夏を制する者は受験を制す」や「夏は受験の天王山」といわれる。実際、東進ハイスクールの調査によれば、難関大学に合格した高校3年生の夏の平均勉強時間は、なんと8時間を超える。やはり、40日以上の長期にわたって時間が取れる夏が重要だということには根拠があるようだ。
もちろん朝から晩までねじり鉢巻きでガリガリ勉強する子供は昔もいたが、その中身は今の親世代のそれとは激変している。特に2021年から大学入試センター試験に代わって始まる新しい共通試験「大学入学共通テスト」では、求められる内容がガラリと変わる。
センター試験は知識や技能が問われる問題が大半を占め、マークシート式で行われていたが、新テストでは知識や技能に加えて、思考力や判断力、活用力などが重視された試験になるのだ。
「わが子にもなんとか“できる子”になってほしい」と考えるのは親の常だが、そんな切なる思いでとった行動が、実は子供にとって“NG行動”に該当するかもしれない。「頭がいい子」の定義は時代とともに変わるのだ。
子供の教育上“ご褒美”で釣るのは禁じ手のように思われがちだが、実は“アリ”だということも近年の研究で明らかになっている。
2011年に発表された米ハーバード大学のローランド・フライヤー教授らによる大規模実験の結果は、非常に興味深い結論になった。