「年金2000万円不足問題」の発覚によって、“今から貯金しても間に合わない”と嘆く人もいれば、“そのくらいの備えは当たり前じゃないか”と納得する人もいる。誰しも頭に浮かぶのは、「はたして自分の老後生活は“平均”よりも上か下か」だろう。
都内在住の山田太郎氏(65、仮名)は、すべてにおいて日本の「シニアの平均値」を兼ね備えた“並の中の並”の男性である。
総務省の「家計調査」(2018年)によると、世帯主が65歳以上である2人以上の世帯(高齢者世帯)の平均貯蓄額は2248万円。妻と2人暮らしの山田氏の貯蓄額2248万円があれば、年金収入と貯蓄でどうにか暮らしていけそうだ。
山田氏の年金受給額(厚生年金)は毎月14万5508円で、専業主婦だった妻の国民年金は月5万6731円。対して毎月の総支出は25万555円。およそ月に5万円が貯蓄から削られている計算だ。
昔から歴史小説が好きで、最近は司馬遼太郎を読み返している。本を読みながらウトウトするのが至福の時間である。
総務省「社会生活基本調査」(平成28年)によると65~69歳が1日のうち費やす「趣味・娯楽」の平均時間は51分だ。
65~69歳の1年間の趣味の平均行動日数では、「スポーツ観戦」が24.3日、「カラオケ」が16.4日、「趣味としての読書」が91.0日、「パチンコ」が60.8日だった。
サントリーウエルネスが公表した「シニア層の健康・生活意識調査レポート」(2013年)によると、60代が持っている趣味の数の平均は「6.7個」。50代は「5.8個」、70代は「7.3個」で、年齢を重ねるとともに多趣味になる傾向がある。