高齢化が進む日本において、特に大きな心配事となっているのが「実家に住む老親」の問題だ。
もし親が難病や認知症になったらどうするか、突然に万が一の事態が起こったとき、相続や金銭の管理はどうするのか──そんな不安を抱えている人は少なくないだろう。しかし、遠く離れて暮らす親の状態をつぶさに確認したり、普段から将来について親子で話し合うことは簡単ではない。
そこで絶好のチャンスとなるのが「盆休みの帰省」である。たとえ数日間の滞在だとしても、親の生活を垣間見たり、家族の今後について語り合う貴重な時間となる。
まずは子の目から親の健康状態を客観的にチェックしたい。介護アドバイザーの横井孝治氏がいう。
「両親の将来について相談する時は、“親のことを大事に思っているからこそ知っておきたい”と印象づけることが重要です。いきなり金融資産や不動産の話題を持ち出したのでは、親は不信感を持ってしまう。そのためお金の話は後回しにし、まずは親の健康状態を心配するところから始めましょう。
その際に注意したいのは、親に“元気?”“体調悪くない?”と質問しても意味がないということ。親は“子供に迷惑を掛けたくない”という気持ちが強く働くため、体に不調を抱えていても話さないケースが多いのです」