働き方改革の一環で、政府が会社員の副業・兼業を後押ししているが、実際に多くの会社員が副業に興味を抱いているのは間違いないようだ。人材サービスのエン・ジャパンの調査によれば、35歳以上の会社員が、68%が「本業以外に副業したい」と考えていると回答。しかし一方で、副業をしている人は全体のわずか24%にとどまっている。副業をしたいと考えながらも、踏み切れない人々にその理由を聞いてみた。
メーカーで経営企画などを行う会社員の30代男性・Aさんは、年収700万円。平均的なサラリーマンと比べて年収は多いものの、将来への不安もあり、副業をしたいと考えている。勤務する会社は、社内での事前承認を得ることを条件に、社員の副業を解禁。Aさんの同僚にも、業務に直接関係ない範囲で副業を行っている人は多い。
Aさんも副業をやってみたいと関心はあるが、実際には動き出せずにいる。
「会社がいつまでもあるか分からないし、今後を考えると、ゆくゆくは自分の能力一本で勝負していけるようになりたいとは思っています。ただ、具体的な目標もあるわけでなく、金銭的に切羽詰まっているわけでもないので、なかなか動き出せていません。副業としてコンサルティングをやってみたいとは思っているのですが、時間的にも精神的にも勉強する余裕がないし、体力も残っていないのが現実です」(Aさん)
30代の女性会社員・Bさんの友人には、ブログを書いてちょっとした副収入を得ている人が少なくない。彼女たちに触発され、自身もブログを開始しようと試みたものの、なかなか進んでいない。
「いつか文章でお金を稼いでみたいと考えていたので、手始めにブログを開設しました。でも、本業が忙しいことを理由に、ブログを開設してもあまり投稿せずに放置。しばらくして新しいブログを作り直す、ということを繰り返しています。結局本気度が低いという甘えが真剣度を下げています……」(Bさん)