飲酒や車の免許取得など、若い頃はできることが増えていく“嬉しい関門”だった「年齢制限」。それが逆に歳を重ねたことが理由で「できなくなること」が出てきてしまう。
例えば、自動車やリフォームなどでローンを利用する際にも「年齢制限の壁」が立ちはだかる。千葉県在住の70代男性が、語る。
「5年ほど前、自動車の買い替えをディーラーに勧められ、ローンを組もうとした際のことです。私は自営業で今も現役なのに、年齢を理由にローンを断わられた。すると車に詳しい友人が『妻が年下なら彼女名義にしてみたらどうか』と言うのでその通りにしたらローンが組めたのです。妻は4歳下ですが、専業主婦でわずかな年金収入しかない。生活に車は欠かせないので、妻の名義で自動車ローンを組みましたが、釈然としない思いが残りました」
ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏が話す。
「銀行のマイカーローンは、申込時の条件として65歳以下となっているものが多い。65歳を過ぎると年金収入がメインの人が増えるため、返済が滞るリスクを懸念してのことと考えられます。また、最近は65歳を過ぎても住宅ローンが残っている人が多いので、そちらの返済まで滞ることを心配しているのでしょう」
神奈川県に住む70代男性は、自宅の屋根や外壁の補修をする際、こんな経験をしたという。
「今年7月、寿命がきた屋根のスレート材を葺き替え、外壁も塗り直すことにしました。費用の100数十万円はローンを組んだのですが、70歳を超えた自分では審査が通らなかった。