踏切が開くまでの時間、電話がつながるまでの時間、待ち合わせに遅れた相手を待つ時間──。日常にはさまざまな“待ち時間”が存在するが、どのくらい待てるか、その許容範囲は人それぞれだ。たとえば飲食店に行った時、どのくらいの待ち時間なら我慢できるだろうか。
2013年のシチズン『ビジネスパーソンの「待ち時間」意識調査』によると、飲食店での空席待ちについては人気店なら30分、時間に制限のあるランチタイムだと10分、ランチ時に料理をオーダーしてから運ばれてくるまでは10分というのが、待てる時間の限界だった。
ファミリーレストランチェーンの『デニーズ』を運営するセブン&アイ・フードシステムズでは、過去には提供の目安時間を設けていたが、最近はそれが“何よりも最優先”ではなくなったという。経営企画室・広報の杦谷大樹さんは、こう語る。
「以前はモーニングは7分、ランチは10分、ディナーは15分という目安時間がありましたが、現在は最初の1品目やアルコール、お子さまのお料理を優先するなど、多様化するお客さまの利用目的に合わせて提供することを第一に心がけています。もしお時間がかかりそうな場合はお声がけをするようにしています」
たしかに、子供を大事にしてくれるお店はうれしいもの。柔軟なサービスが利用客の満足感を高め、待ち時間自体への不満を低減させているのだ。
※女性セブン2019年11月21日号