お歳暮シーズン、デパートには“格付け”を謳った高級食品が並んでいる。どうやって決まっているのか。ランクが高ければそのぶん旨いのか──。牛肉を「A5」や「B4」と評価する公益社団法人・日本食肉格付協会は、牛肉だけでなく豚肉の格付けも行なっている。
「豚肉の格付けは極上・上・中・並・等外の5段階に分けられます。牛肉ほど細かく分かれてはおりませんが、肉量と肉質を評価している点は変わりません」(協会担当者)
とはいえ、豚肉の格付けは牛肉ほど一般には知られていない。なぜなのか。
「そもそも豚肉には『サシが入っているから美味しい』という概念がありません。例えば、極上にランクされた豚のバラ肉を使った角煮を食べたら、脂が強すぎて胃もたれする人も多いのでないでしょうか。豚肉の肉質は脂の多さや色などよりも、飼料や生産者のこだわり、品種などの要因に大きく左右されますが、これは格付けには含まれません。
また、豚肉は牛肉に比べて低価格で日常的によく食べるから、売り手も消費者も牛肉ほど格付けをさほど重視してこなかったのではないでしょうか」(料理研究家・長田絢氏)