今年も残すところあとわずか。新語・流行語やヒット商品の発表など、この1年を総括するような話題もひと通り出揃ってくると、いよいよ年の瀬が迫ってきたなと感じさせられます。そして同時に気になりだすのが「じゃあ来年はどうなるの?」という、来年の見通し。2020年という節目でもあり、国内では大きなイベントも予定されていますが、生活者はどんな見通しを持っているのでしょうか。
博報堂生活総合研究所では、全国の20~69歳男女3900人を対象に、翌年の景況感などについて予想してもらう「来年の生活気分」調査を毎年秋に実施しています。2015年から調査を始め、今回で5回目の調査となりました。こちらの結果をもとに、生活者が予想する2020年の見通しを確認していきたいと思います。
2020年の景気予想、「悪くなる」が過去最悪の数値に
まず2020年の景気について、今年と比べてどうなりそうか予想してもらったところ、
●2020年の景気予想
良くなる:11.7%
変わらない:46.8%
悪くなる:41.5%
数字の上で最も大きいのは「変わらない」ですが、「良くなる」「悪くなる」を比べると、「悪くなる」が大幅に上回っています。
実は「悪くなる」が4割を超えたのは、今回が初。これまでで最も高かったのは2016年の見通しを調査したときの30.2%でしたが、これを一気に上回り、過去最悪の数値になっています。なお、男女別のスコアをみても、上記と同じ傾向になっています。
見通しが急速に悪化した背景には何があるのか。「悪くなる」と回答した人にその理由を自由記述方式で尋ねてみました。それらの回答を集計したところ、圧倒的に多かったのがこちらの2つ。
1)消費増税の影響・ポイント還元施策の終了
「増税で物価も上がり、国民がものを買えなくなり、会社の業績が悪化して不景気に戻る」(男性31歳・奈良県)
「キャッシュレス消費者還元が始まったが、それも来年半ばで終わるため」(女性25歳・東京都)
……ほか。
2)節約意識の高まりによる買い控えの影響
「衝動買いなど、必要以外の遊興費などの支出を極力控える人がますます増える」(男性68歳・愛知県)
「外食が減ったり、買い物を控えたりするので、景気循環が滞るから」(女性54歳・新潟県)
……ほか。