2020年の日経平均株価は「3万円超え」か「2万円割れ」か?──ここでは、見解の異なる2人の識者に、それぞれの予想の根拠を教えてもらった。
●平野憲一氏(ケイ・アセット代表・3万円超え派)
私は「日経平均株価2万4000円はスタートライン、2020年は2万7000円を目指す」と見てきましたが、それもおとなしすぎる目標かもしれません。
日経平均の動向を左右する米国株の好調が大きな要因です。昨年はFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げによって大量の資金が株式市場に流入し、米国株は史上最高値の更新が続きました。この現象は今年も継続し、トランプ大統領は再選に向けて株価下落が許されない事情もあるため、米国株は1年かけてなだらかな上昇基調が続くと見ています。
そうした米国株の好調が追い風となるのはもちろん、日本株の上昇要因は他にもあります。
現在、日本企業は自社株買いを積極的に進めています。企業が自社株を買うと、発行済み株式数が減ることで1株当たりの利益が増えるため、その期待から株価上昇につながる。
株価水準で見ても、12月下旬時点での日経平均のPER(株価収益率)は約14.5倍、米S&P500は約19.5倍と、企業が稼ぎ出す利益に対して日本株は割安な水準にある。日経平均が米国株のPER水準まで買われれば、優に3万円を超える計算となります。
安倍首相は悲願の憲法改正の土台固めのために、2020年は何が何でも目に見えるアベノミクスの成果を出して支持率を上げておきたいと考えているはずです。そのため赤字国債を発行するなど、さらなる経済対策を打ち出す公算が高いといえるでしょう。
安倍政権が成長戦略や国土強靭化を本格化させて、政府も企業も株高に躍起になる可能性が高い以上、3万円超えは十分にあり得ると見ています。