インターネット上で巨大な商圏を築き上げたプラットフォーマー企業が拡大の一途を遂げている。その筆頭格が、米国のグーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン・ドット・コム(Amazon)の4社の頭文字をとった「GAFA」であり、そこにマイクロソフトを加えた「FAAMG」という呼び方もある。これらの企業の規模がいかに大きく、高い成長率を誇っているのか、グローバルリンクアドバイザーズ代表・戸松信博氏が解説する。
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世界の株式市場全体の時価総額ランキングの上位を見ると、アップルをはじめ、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、アルファベット(グーグルの持ち株会社)、フェイスブックの「FAAMG」5社が君臨している(注:現在の時価総額世界1位は12月に上場したサウジアラビアの国営石油会社であるサウジアラムコ)。
その時価総額はまさにケタ違いで、1993年頃までは世界の時価総額ランキングの上位は日本企業が占めており、そのトップにはNTTが君臨していた。ところが、現在、世界の時価総額トップとなっているアップル(1.2兆ドル=130兆円以上)と比べれば、当時のNTTの時価総額は14分の1にすぎない。また、かつて上位を独占していた日本企業の時価総額は見る影もなく、トップ30にようやくトヨタ自動車が顔を覗かせる程度である。
FAAMGが稼ぎだす利益もケタ外れだ。それら米5社を合わせた今期の予想純利益額は17.5兆円を超え、日本のTOPIX(東証株価指数)を構成する東証1部の全銘柄(2000社以上)のおよそ半年分の利益に匹敵するほど。日本の東証1部企業が束になってかかってもかなわない稼ぎぶりといえるだろう。
まして、それら巨大プラットフォーマー企業はいまだ成長を続けており、今後、仮に毎年15%ずつ成長していけば、5~6年後には日本のTOPIX企業全体をしのぐ利益を稼ぎ出すのも必至の情勢だ。