離婚をした場合、親権を持つのは圧倒的に女性が多い。しかし、養育費を受け取っている母子家庭は、わずか24.3%(厚生労働省『平成28年度全国ひとり親世帯等調査』より)という現実がある。
貧困に苦しむひとり親家庭の実態はどうなっているのか。東京都で音楽教室を開いているA子さん(53才。25才の息子とふたり暮らし)は、養育費で苦労を経験してきた過去を明かす。
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息子が小学生の時、私の不倫が原因で離婚することに。自分の両親から300万円を借り、主人に慰謝料として払い、離婚しました。そんな理由ではありましたけど、男手ひとつでの子育ては……ということで、養育は私に。その際、月3万円を養育費としていただく約束をしました。それは私ではなく息子がいただくお金です。
ですが、その後は何かにつけて“お前の不倫が理由だから”と言って養育費を振り込んではもらえませんでした。こちらとしても引け目があるため請求しづらく、結局自宅で音楽教室をしながら子育てしてきました。
幸い、生徒さんも定着してなんとかやってきましたが、息子の将来のために使えるような蓄えは一切ありません。元主人は別のお相手と新しい家庭を築いているそう。
私が支払った慰謝料と、息子に出し渋っている養育費もその幸せの足しになっているかと思うとモヤモヤして。今後は、養育費が曖昧なものではなくなるように、と望んでいます。
※女性セブン2020年2月13日号