今年度から小学校でプログラミング教育が必修になるが、そんな中、高齢者向けのプログラミング学習も注目され始めている。先んじてスキルを習得し、アプリ開発などで活躍しているシニアも少なくない。
そんなデジタルシニアのひとりが、“トミ爺”こと鈴木富司さん(84才)だ。鈴木さんは商社をリタイア後、初めてパソコンを購入。スクールに通い、一度の挫折を経て2014年から7本のアプリをリリースした。
「同窓会で会う友人は、わからないからスマホは使わないという人も多い。でもLINEをはじめ、乗り換えや天気予報、ネット通販など、生活に密着したアプリはたくさんあり、これがあるかないかで世界は違ってくる。もっと高齢者がデジタル世界に入りやすくなるアプリを作りたいのです」(鈴木さん・以下同)
最新リリースの『音声入力アシスト』は音声を文字に変換し、そのままメールやLINE、グーグル検索に送れる。自身が思いついたアプリのアイディアも、音声入力してスマホにストックする。
「寝床の中でも思いつくと、すぐスマホへ。アイディアはたくさんあるけれど、作るペースはゆっくり。でも自分が作ったものが世界で使われるなんて、夢のようじゃないですか。億万長者になる夢(笑い)よりも、自分のアイディアが形になることがうれしい。こんな世界があることを多くの高齢者に知ってほしいのです」
シニアのプログラミング学習を支援する『もくもく会』にも3年前から参加。難しい壁を突破するヒントがもらえるという。初心者の頃、壁にぶつかったたくさんの経験を生かしたアプリ開発の副読本も制作。鈴木さんのHPに記載の書籍通販サイトから入手できる。
※女性セブン2020年2月20日号