高齢化時代を生き抜くための“生き甲斐”や“稼ぐ武器”になり得るとして、今、高齢者向けのプログラミング学習が注目されている。世界最高齢のアプリ開発者として注目されている若宮正子さん(84才)のように、先駆けてスキルを発揮しているデジタルシニアもいる。
そんなデジタルシニアのひとり、能明彦さん(77才)は長年企業の技術職としてパソコンに精通。現在も起業して、多くの時間をパソコンに向かう傍ら、能さんがハマっているのがスクラッチ(*)だ。
【スクラッチ(Scratch):アメリカ・マサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボが無償で公開しているプログラミング学習用ソフト】
「スクラッチはいわば子供向けですが、やってみると、音声を組み合わせられるなど、いろいろなことができて手応えがある。おもしろいのです。しかもこれ、ほかの人が作ったソースコード(設計)を見ることができ、真似たり、自分流に変えて発表するのも自由。世界中の人と意見交換もできます。シニアのプログラミングにぴったりです」(能さん・以下同)
能さんはスクラッチで数々のアプリや動画を作成。友人の若宮正子さん(前出)に宛てた誕生祝い動画は「フーッ」と吹くと、ケーキのろうそくの火が消える仕掛けが評判。認知症予防講座で習った『じゃんけんゲーム』もアプリにした。
「インストラクターもやっている『笑いヨガ』は、画面に向かって笑うと声の大きさに応じて笑顔の絵が大きくなる。画面を見てつい笑いますよ」
能さんの作品は見ていて楽しく、体も自然に動き出す。スクラッチはまさに、そんな遊びの中にある創造性を学ぶためのプログラミング言語だ。
「難しそうだと敬遠しているなら、もったいない。シニアにはじっくり取り組める時間もあり、好きに作っていい。ぜひ一緒にやりましょう!」
※女性セブン2020年2月20日号