戸松信博の明日の爆騰株を探せ!

三浦工業:盤石な事業基盤を評価し、調整時を狙った買いを検討できる

三浦工業(6005):市場平均予想(単位:百万円)

三浦工業(6005):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 三浦工業(6005)は「ミウラのボイラ」お馴染みの、ボイラの国内トップメーカー。

 ボイラとその関連機器の製造販売・メンテナンスを軸に、その事業展開で培ったボイラ技術やエネルギー有効利用技術、水処理技術、環境関連技術をベースに事業展開しています。

 1927年、もともと精麦・精米機の製造販売を行う三浦製作所として起ち上げられ、その後1959年の改組を経て、1960年から小型貫流ボイラの製造を開始。小型貫流ボイラは国内トップ製品に昇りつめ、その他、舶用補助ボイラや医療用蒸気滅菌機、食品加工機、水処理装置など、自身の技術を活用できる分野に事業を拡げ成長を遂げてきました。いまや、それぞれが国内No.1製品として国内外で販売されています。

 産業用小型貫流ボイラで57%の国内トップシェアを誇るほか、真空冷却器、ダイオキシン分析前処理装置、排ガスボイラ、業務用軟水装置、家庭用軟水器においても、国内トップシェアを誇ります。また2017年にはランドリー業界でトップのアイナックス稲本を買収し、ランドリー機器においても国内60%のトップシェアを獲得。その他でも複数高シェア製品を展開しています。

 国内では省人化省力化需要によるボイラ需要とメンテナンス需要が拡大を続けており、海外では環境規制が追い風となっています。特に大きな市場成長が見込まれる中国においては2019年に緩和されていた環境規制が再開することから、中長期での需要増が見込まれます。

 市場が成熟している国内においても、ボイラーを中心とした幅広いソリューション展開により、内需を開拓し、収益性を向上させています。また、新市場であるバラスト水処理需要のニーズも高まっています。一方、ランドリー事業では新型肺炎による訪日外国人減の影響が不可避ですが、業績貢献度も低く、また長期的にはインバウンド増が追い風となることに代わりありません。

注目ポイント

 足元の業績は好調。連続最高益更新の見通しです。

 メンテナンス事業を安定収益源としながら、新規需要も獲得しており、地味ながら成長路線は外すことがない堅固な事業基盤を持っています。そこから生み出される財務状況は、自己資本比率が71.3%、有利子負債は(IFRSのため算出が難しいですが、殆ど)ゼロで盤石な内容となっています。

 株価は右肩上がりで上昇してきたところを新型肺炎懸念を背景とした株安に押され、急落しています。確かに中国を成長市場に位置付け、景気動向に左右されやすい機器販売事業を展開していますが、基本的には景気動向に左右されにくいメンテナンス事業が主な利益減なので、基本的な収益力は弱くなりません。目先の成長スピードは鈍化するかもしれませんが、長期的に見ると問題ないでしょう。国内トップシェアを維持しながら、日本ビジネスモデルの中国への水平展開による新たな成長ストーリーも始まったところであり、今後の長期的な成長期待値も大きいです。

 なお、同社は株主優待を設定しています。100株以上の保有で、(1)1000円相当のクオカードまたは(2)自社家庭用軟水器(2種類)特別価格優待券および(3)2000円相当の自社軟水グッズ通販商品券、(4)3000円相当の今治タオルセットなど。

【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。