新型コロナウイルスの影響から休校になっていた学校が、徐々に再開しつつある。だが、コロナ禍がまだ完全に収束していない以上、いつまた休校になるかわからない。そうした状況でだけに「オンライン授業」の普及が期待されているが、そこには不安の声も少なくない。
もっとも大きいのは家庭の格差だ。オンライン授業の場合、授業を受ける場である家庭環境の差も大きなハードルとなり得る。住環境やネット環境の違い、さらには子どもの年齢によっても問題は異なる。
30代の女性会社員・Aさんは、小学校2年生の息子の様子から、オンライン授業の現実をこう語る。
「そもそも、最低でも小学校高学年以上でないと、オンライン授業は成り立たないと思うんです。プリント学習でさえ集中力が続かないのに、それがオンライン授業になると、まったくの上の空。足をぶらぶらさせたり、外を見ていたり、椅子から立とうとしたり……。
今は私か夫のどちらかは必ず在宅ワークで、家にいるとはいえ、息子の授業中は私たちも仕事なわけで、つきっきりというのは厳しい。ちゃんと勉強させるためには“見張る人”が必要だと思いました。両親が共働きかどうか、またそのワークスタイルなど、家庭環境によって『できる』『できない』の差が出てくると思います」(Aさん)
40代のシングルマザー・Bさんは、中学生と高校生の子ども2人がオンライン授業に切り替わったが、自宅にPCが1台しかなく、困っている。
「PCが1台しかないので、下の子には私のiPhoneで授業を受けてもらっています。でも、やはり黒板の文字が小さくて読みづらいので、iPadかPCを買ってほしいと懇願されています。それは給付金で購入しようかと思っています。
ただ、一番の問題は集中できる部屋の確保です。うちは家族3人で2LDK。私の寝室、子供2人の共同部屋、リビングダイニングです。子供たちにはそれぞれ子供部屋とリビングでオンライン授業、というように分散して授業を受けてもらっていますが、うちのリビングダイニングはカウンターキッチンから続く狭いもの。