東京・港区の麻布界隈に住む“麻布妻”たちの中には、富裕層世帯が多いがゆえか、周囲のママに“マウンティング”を仕掛けて、人間関係に波風を立てる人も少なくないという。そうしたママにはいくつかの共通点があるようだ。自身も麻布妻でライターの高木希美氏が、その実態をリポートする。
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麻布妻同士のマウンティングは日常の出来事ですが、元々いるママたちだけでなく、新たに引っ越してくるママが火種になることもあります。この春から、麻布妻たちの仲間入りした吉田真子さん(仮名・30歳)。界隈では有名な高級マンションに引っ越してきて、自己紹介するときには「○○○レジデンスの吉田です~」と自分の名前の前にマンション名を入れることで一気にママ友の間で知られるようになりました。
彼女は幼稚園ママたちの輪に加わり、多くの人に“仕掛けて”いきます。
「結婚前は外資系のCAだったんです~。××さんもCAだったんですよね? どこ? 日系のLCCなんですかぁ? お給料安いって有名ですよね~。私、現役で飛んでたときも“割に合わなくてかわいそう”って横目で見てたよー。たいへんですね~」
マウンティングの常套句である「かわいそう」が出てきました。真子さんは地方から出てきて、東京の大学に通ってCAになり、ママたちの間で言うところの“ランクが上がる結婚”をしました。夫は年収3000万円クラスもゴロゴロいる外資系コンサル。こんな愛されアピールもします。
「夫ってば、けっこう私に夢中で、双子の男の子と、末っ子の娘がいるのにもっと生んでくれっていうくらいなんです~」
マウンティングママにはいくつかの共通項があり、「容姿に自信がある」「オシャレ」「“人には興味ない”が口癖」、そして「ランクが上がる“成り上がり結婚”をした」というものがあります。真子さんはまさにそのタイプ。
あるとき、かつてモデルもしていたオシャレママのサキさん(仮名・27歳)にライバル心を燃やしたのか、こうマウントし始めました。
真子さん「サキさんのお子さんって、幼児塾いっぱい行かせてますよね。もっとお子さんにたくさん構ってあげればいいのに~」
サキさん「それは教育方針です。小学校からインター行かせるつもりなので」
真子さん「それって若干ネグレクトっぽくないですかぁ? サキさんいつもオシャレな服着てるし、自分の服買うより子供のお世話したほうがいいんじゃないかなって。まぁ、私は人には興味ないけど年上ママならそう感じると思うから心配してるんです~」