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医者への「心付け」は必要? 渡す方にも受け取る方にもリスクあり

医者に「心付け」を渡すとよい治療を受けられるって本当?(イラスト/河南好美)

 かかり方次第で医療費は大きく変わる。あなたはムダな病院代や薬代を払っていないだろうか。『週刊ポストGOLD 得する医療費』より、医者への“心付け”が診療に影響するのかを解説する。

 病院にかかるとき、医者に「心付け」を渡したほうが心証が良くなる──そんな考えを抱きがちだ。しかし、消化器外科医で『医者と病院をうまく使い倒す34の心得』などの著書がある山本健人氏は「心付けを頂いても医療の質は変わりません」と話す。

 山本氏によれば、1万~5万円程度のお金を医者に渡そうとする患者は少なからずいるという。

「特に中高年の方で、心付けを用意されるケースは現在でもあります。ですが、今ではお断わりしている病院も多いです」

 ひと昔前は頻繁に見られた光景だというが、そもそもなぜ心付けの習慣が広まったのか。山本氏はこう解説する。

「昔は診察での医者の主観が大きく、“権威のある先生の心証を良くして、良い治療をしてもらおう”といった考えがあったのかもしれません。ですが、今はエビデンス・ベースド・メディシン(根拠に基づく医療)という考え方が一般的で、診療ガイドラインに基づき“等しく患者さんに最善の医療を提供する”という習慣があります」

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