住まい・不動産

ペット禁止知らされず入居し隣家に損害 嘘ついた不動産業者に請求できるか

不動産屋さんの説明が違っていたら…(イラスト/大野文彰)

不動産屋さんの説明が違っていたら…(イラスト/大野文彰)

 コロナによる自粛や活動再開で求められる不動産の在り方も変わってきた。不動産仲介業者がしっかりと仲介していれば問題ないが、仲介時の説明不足によるトラブルもある。そんなトラブルの相談に、弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 1年ほど前に分譲マンションを購入して住んでいます。購入前、不動産会社の担当者に「フェレットを飼っていますが、ペット飼育は可能ですか」と聞いたところ、「大丈夫です」と言われました。

 先日、フェレットが脱走し、隣家の網戸をボロボロにしてしまいました。隣人から「ここはペット禁止。網戸は弁償して」と注意されたので、管理組合に確認したところ、「ペット禁止」でした。私にウソをついた不動産会社に網戸の修理代を弁償してもらえますか。(神奈川県・40才会社員)

【回答】
 不動産会社に対する慰謝料請求は認められる可能性はありますが、網戸の修繕代の弁償を要求するのは無理です。不動産業者は、マンションなど不動産の売買を仲介するときには、宅地建物取引業法で定める一定の重要事項を説明する義務を負っています。

 重要事項の中に「(マンションの)専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めがあるときは、その内容」という項目があります。管理規約でペット禁止の規定があれば、専有部分の利用を制限することになりますから、重要事項です。

 不動産業者は重要事項説明書にそのことを記載して説明する義務があったといえます。その説明を怠ったことは業法違反であり、監督する知事から行政処分を受けることになります。

 同時に顧客であるあなたとの間の不動産仲介の委託契約上の説明義務にも違反しているので、あなたに対する債務不履行になり、その結果あなたに生じた損害を賠償する義務を負います。

 そう考えると、フェレットが壊した網戸の修理代も含まれそうですが、そう簡単ではありません。あなたのフェレットが隣家の網戸をボロボロにしたのは、直接的にはあなたがフェレットをしっかり管理せずに逃がしてしまったのが原因です。

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