一家の大黒柱が亡くなれば、経済的な心配が生じるが、遺族が申請すれば払い過ぎたお金を取り戻すこともできる。
たとえば、故人が所得税を払い過ぎていた場合は、準確定申告をすることで取り戻せる可能性がある。税理士の相原仲一郎氏が解説する。
「準確定申告は、故人に代わって相続人が確定申告をする制度。亡くなった年の1月1日から亡くなった日までに発生した所得を死後4か月以内に申告します。
事業所得や不動産所得があったり、給与所得や雑所得が源泉徴収されていた場合や、故人が亡くなる前に払った医療費などがある場合、払い過ぎた税金が還付される可能性があります。なお、還付金は相続財産に組み込まれます」
手続きは通常の確定申告とほぼ同じで、所轄の税務署で行なう。
また、故人の死亡で発生する税金のうち、過払いが多いのが相続税だ。
「納税者本人や税理士のミスが原因で過払いになることが多い。中でも目立つのが不動産の評価ミス。本来の価格より高く評価したために相続税が増えるケースが多く、相続した相続財産にかかる税額の計算明細書などから、後に税理士などの専門家が評価ミスを発見して指摘してくれることがあるのです」(前出・相原氏)