飲料各社がラベルをつけない「ラベルレス」のペットボトル商品に注力している。アサヒ飲料が2018年から「アサヒ おいしい水 天然水」を今年、完全ラベルレスに。さらにこれまで、「十六茶 630ml」「六条麦茶 660ml」「守る働く乳酸菌 PET100ml」のラベルレスボトルを展開しているほか、2月からはAmazon限定で「ウィルキンソン 炭酸水500ml」のラベルレスボトルを発売。
またコカ・コーラもオンライン限定で今年4月に「い・ろ・は・す560ml」、8月にはオンライン限定で「綾鷹525ml」「爽健美茶500ml」「カナダドライ ザ・タンサン・ストロング 430ml」など3品、サントリーもやはりオンライン限定として11月3日に「サントリー天然水 スパークリングレモン500ml」「サントリー緑茶 伊右衛門525ml」の2品を発売開始している。
これらのラベルレス飲料が登場したのは、今年4月の資源有効利用促進法の改正を受けてのもの。以前はボトル1本ごとに原材料名やリサイクルマークの表示が必要だったが、法改正によって外箱に記載があれば1本ごとの表示は不要になった。そのため「ケース売り」が原則で、ネット通販での取り扱いがメインとなっている。
各社こうした商品に注力する背景には、環境意識に加え、コロナ禍での消費者ニーズの変化も関係しているようだ。実際にラベルレス飲料を愛飲する消費者たちの声を聞いた。
30代の男性会社員・Aさんは、コロナ禍に家飲み用の炭酸水をよく購入するようになった。コンビニやスーパーでその都度購入していたが、手間やコスト面などからネットショッピングで大量購入するようになり、気づいたことがあった。
「以前からウイスキーや焼酎などを炭酸水で割って飲んでいたのですが、コロナ禍になって外で飲まなくなり、家飲みになると、炭酸水の消費量も倍以上になったので、箱買いするようになりました。しょっちゅう飲むようになると、ラベルを剥がして捨てるのが地味に面倒だということに気づきました」(Aさん)