一攫千金の夢を求めて宝くじを買う人は、世界中にいる。14億人の欲望がうごめく中国では、2008年頃から宝くじの売上高が急伸し、昨年は4220億元(約6兆7500億円)と日本の約6倍にのぼった。
日本同様、街のあちこちに販売所が設置されているが、18歳未満の購入は不可。種類はロトやスクラッチ、スポーツくじなど多岐にわたり、なかでも人気なのが「双色球」と呼ばれる7つの数字を選ぶロト7のようなくじだ。1口2元(約32円)とお手軽ながら、1等は500万元(約8000万円)以上が約束される。同じ組み合わせを複数購入でき、繰り越しもあるため、過去最高金額は5.7億元(約91億円)。受け取りは日本と同じく一括だ。
中国ではプライバシー保護のため当せん者は会見などを拒否できるのだが、なかにはミッキーマウスやウルトラマンなどの着ぐるみを着用し、時にはボイスチェンジャーまで使って檜舞台に上がる人もいる。複雑な心理が面白い。2014年にスポーツくじで4億9700万元(約80億円)を当てた男性はミッキー姿で記者会見に臨み「数字は5分で選んだ。今後は生活スタイルを変えず、今まで通りに過ごしたい」と答えた。
台湾の宝くじの歴史は日本統治時代にまで遡り、戦後は2002年から現在の形のロトやスポーツくじが広まった。1口200円ほどで庶民の娯楽として定着しており、「台湾彩券(彩券は宝くじの意)」の看板を掲げた売り場が各地に設置されている。2015年には7つの数字を選ぶ「威力彩」で30億台湾ドル(約120億円)の過去最高金額が出た。