2020年4~5月の緊急事態宣言の発令時、多くのスポーツジムが臨時休業を強いられた。それに伴い運動不足の懸念から、筋トレ・スポーツグッズをあれこれ買い込んだ人も多かったようで、通販サイトでは売り切れる商品もあった。だがその後、気が付けばまったく使わなくてしまった人たちも少なくないようだ。
昨年4月に慌てて筋トレ用グッズを購入したという30代女性・Aさん(PR業界勤務)もその一人だ。
「Amazonで、筋トレ用のゴムチューブとバランスボールを買いました。ダンベルはちょっとハードルが高いかなと思って、このチョイスになりました。ゴムチューブは6種類の負荷があるもので、太もものトレーニングに効果的というのが魅力でした」
Aさんは、これまで何度か運動に挑戦しようとしたことがあるが、長続きしたことはなかった。ただ、家にいる時間が長くなれば、さすがに続けられるだろうと考えていた。だがそこに誤算があった。今ではすっかり、インテリア化しているという。
「届いてから後悔したのが、意外にもバランスボール。空気をいっぱいまで入れるのが大変で、私は下手なのか、どうしてもパンパンにならないまま……。面倒くさくなって、もうそのまま栓をしてしまったので、ブワンブワンと、上に乗ったら気持ち悪く沈む。結果、全然使っていません。パッと見だけなら、意識の高いインテリアです(笑い)。
ゴムチューブもあっという間に飽きて、2回くらいしか使っていません。『何かやらなくちゃ』という、あの焦燥感はなんだったんでしょうか。もともと運動らしい運動もしていなかったから、それ以上の運動不足になるわけもなかったのに」(Aさん)
30代男性・Bさん(素材メーカー勤務)は昨年5月、感染リスクを懸念した結果、スポーツジムを退会。Bさんにとって、スポーツジムは、体型維持や運動不足解消には欠かせないものだっただけに、苦渋の決断でもあったが、筋トレグッズを購入して自宅での運動で代替することにした。