生活雑貨を中心に幅広い品ぞろえ、商品の無料体験やプロによる実演販売――。行けば何でもそろい、思わぬ発見もある。そんなイメージを持つ人も多いであろう「東急ハンズ」が苦境に立たされている。
東急ハンズは3月19日、9月下旬をもって池袋店(東京)を閉店すると発表し、ネットには「よく文房具を買った思い出の場所」「サンシャイン60通りのシンボルが消えるのは寂しい」など惜しむ声が相次いだ。閉店理由は店舗の老朽化によるもので、改装経費に見合う収益をあげられないと判断したためだという。
新型コロナウイルスの影響で、東急ハンズの業績もダメージを受けている。店舗休業や営業時間短縮もあり、2021年3月期第3四半期は売上高474億円(前年同期比37.1%減)、営業損失30億円。コロナ禍でホームセンターは好調のなか、ハンズは不調という事態だが、実際東急ハンズに行かなくなった人、変わらず行っている人の声を聞いた。
メーカーに勤務する40代・男性会社員・Aさんは、複雑な心境を吐露する。
「ハンズは都会的でおしゃれなイメージも売りの一つで、若い頃は行けばわくわくしたもの。池袋店が閉店するのは、寂しい気持ちにはなりますが、実際のところもう何年も行っていない。『まあ、そうだよな』と納得する気持ちもあります」(Aさん)
Aさんは、時代の流れが大きいのではないかという。
「やはりネットショッピングの普及は大きいですよね。ネットがなかった頃は、ニッチなモノでも、ハンズに行けば『何でもある』という印象でしたが、今ではネットを使えば専門的なモノやマニアックなモノも探せる。レビューや動画もあるので、買うときのポイントや使い方なども把握できます。『ハンズに行かないと買えないモノ』というのが少なくなったのではないでしょうか」(Aさん)