多くの女性たちが、仕事、家事、育児など、複数のタスクを抱えて、常に時間に追われる過酷な日々を送っている。心も体もヘトヘトになると、後回しになりがちなのが、身だしなみ。しかし、世界で活躍する“美のカリスマ”こそ、見事な時短術を実践している。
ジョルジオ・アルマーニ、エルメスなど世界の一流デザイナーやブランドとタッグを組んできた、トータルビューティークリエイターの川邉サチコさん(83才)は、「カッコよく生きていこうと思ったら、時短の努力は不可欠」と語る。
「私は、新しい服を買ったらすぐにしまわず、まず手持ちの服とコーディネートして4、5パターンの組み合わせを作っておきます。これをやっておかないと、いざ出かけるときに悩んですごく時間がかかってしまうし、慌てて準備しておかしな組み合わせになってしまう可能性もあります」
川邉さんといえば、グレーヘアをアップにしたスタイルがトレードマーク。毎朝、ひと手間加える時間がかかりそうだが、あっという間に完成するという。
「私がアップスタイルにしている理由は、簡単にセットできるからです。ただし、日頃の手入れは欠かしません。髪を洗ったらドライヤーでブローして、オイルをつけ、ホットカーラーで巻く。髪の“下ごしらえ”をしておくことで、オフでもパーティーでも、いつでもパッとまとめることができるのです」(川邉さん)
髪のセットのためにわざわざ美容院へ足を運んでいると数時間のタイムロスとなる上、お金もかかる。川邉さんが時短を心がけるようになったのは、結婚して子育てを始めた20代の頃。家庭のことだけでなく、第一線で仕事を続けるには、時短が必要不可欠だったと話す。
「大事なのは、自分らしい身だしなみでおしゃれを演出することです。しかし、女性は家事や子育てに時間を取られ、自分を置き去りにしてしまう。時短は自分のために行うものです。おしゃれも健康もすべてクリアするためには、時短の工夫をしながら勝負していかなくてはいけません」
※女性セブン2021年4月17日号