会議に出席していて、「この会議、無駄だなあ……」と思うことはないだろうか。それを感じる大きな要素が、「人数が多過ぎる」「物事が決まらない」「長過ぎる」の3つである。逆に言えば、これさえなければ会議は有意義なものになるのではないだろうか。会社員時代からフリーランスとして活動する今まで、数え切れないほどの会議に参加してきたネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、「本来あるべき会議の姿」について考えた。
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リモートワークが一部では定着していますが、そうした流れの中で「会議が少なくなってありがたい」という声を聞くようになりました。一方、外資系企業に勤める知人は、本国がオフィス回帰の流れになっているから日本法人も同様となり、以前のように会議が増えるのでは、と心配しています。
今回のコロナ騒動で働く人々の多くが感じたのは「会議って無駄が多く、長過ぎるのでは?」ということではないでしょうか。私はそれについては、会社員時代に常々感じていました。フリーになったら無駄で長過ぎる会議はほぼなくなりました。
もちろん、新しいウェブサイトを作る時などは運営会社、システム会社、デザイン会社の人など多くの人が集まるため、どうしても長くなりますが、それは仕方がない。新規プロジェクトの場合は、会議は長くなるもの。でも、これは無駄だと思いません。何しろ物事がキチンと決まるからです。
フリーになってから、なぜ無駄で長過ぎる会議がなくなったのか、あらためて考えたら、私自身が物事を決める権限を持つようになったからだと、すぐに気づきました。あとは、長い会議をしたがる会社とは付き合わないようにして、最低限の“本当に必要な人”だけが会議に出席する文化を持った“合理的な会社”と付き合うようにしたことも理由です。
たとえば、私が参加した“よい会議”の実例を紹介しましょう。某企業から「個人情報保護法に関する啓発パンフレットを作ってほしい」と依頼された時のことです。