終わりの見えないコロナ禍で休業や失業などに追いこまれ、厳しい生活を強いられている人は少なくない。様々な政府の支援制度が用意されているが、なかでも多いのは、子育て世帯をサポートするものだ。コロナ禍が長引いたことで、より手厚くなっているものも目立つ。公認会計士で税理士の能勢元さんが解説する。
「『低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金』は、本来、児童手当を受給するひとり親世帯や住民税非課税世帯を対象としていましたが、2021年から対象者が拡大しました。本来は児童手当の対象外である高校生を養育している非課税世帯も、各自治体に申請すれば1児童あたり5万円が支給される場合があります。また、大学生の子供がいて学費などの支払いが困難な場合も、『給付奨学金』制度によって、月額最大7万5800円が受け取れる可能性があります」
「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」の申請先は市区町村の専用窓口。給付対象や条件は、2021年3月31日時点で18才未満の児童(障害児の場合、20才未満)を養育する保護者で、2021年度の住民税が非課税の家庭または、新型コロナの影響で2021年1月1日以降の収入が急変し、住民税非課税相当の収入となった家庭だ。
コロナ不況で職を失った人に適した支援もある。ファイナンシャルプランナーの横川由理さんが言う。
「私が使いやすいと思うのは『職業訓練受講給付金』です。もし、ファイナンシャルプランナー2級の資格を取ろうとしたら、普通ならば受講料や試験料で9万円程度かかりますが、この制度を使えば無料で受けられるだけでなく、一定条件を満たすことで月10万円の手当が支給されます。職業訓練の講座は多種多様で、非課税世帯でなくても利用できるので、この機会に新たなチャレンジをしてみる手もあるでしょう」
「職業訓練受講給付金」の申請先はハローワーク。給付対象や条件は、収入や資産、訓練への出席日数など一定の要件を満たす求職者(離職者)。職業訓練には、機械、電気、建築、塗装、造園、印刷、ファッション、医療、介護、保育、美容、財務、総務、不動産、Webデザイン、プログラミング等がある。