10都道府県に出されていた「緊急事態宣言」は、3週間延長の沖縄県を除き、6月20日に解除された。とはいえ、直ちにそれ以前の日常が戻るわけではない。開催による感染拡大への懸念が指摘される東京五輪を1か月後に控え、多くの人が緊張感を持ちながら手探りの日々を送ることになる。ストレスフルな生活が続く子育て世代の女性の中には、ママ友との新たな関係に悩んでいる人もいるようだ。都内在住の30代主婦に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。
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緊急事態宣言中、新規感染者の多い地域では、密になりやすい公園などで遊具の使用禁止や、駐車場の閉鎖など利用制限が行われていた。子育て世代は子供との遊び場に苦労していたが、親子で集える場所が制限されたことにより、同じように子育てを頑張る親同士の交流の機会も減少。子育ての悩みを相談し合えないなど、孤立した状態にストレスを抱えている人も多いようだ。
そうしたなか、都内在住の専業主婦、渡辺あやこさん(仮名・34歳)は、ママ友を自宅に呼んだことをとても後悔していた。夫と2歳の娘の3人家族である。
「コロナの影響で、近所の公園の遊具が使用禁止となってしまいました。そのため、近所の散歩と自宅の庭で遊ぶ毎日。活発な性格の娘は物足りないようで、『公園に行きたいよ!』と毎日騒いで困っています。そのことで道でばったり会ったママ友・Aさんに愚痴をこぼしたら、自宅まで遊びに来てくれたんです」(渡辺さん、以下同)
Aさんと渡辺さんは、幼稚園のプレスクールで知り合った仲。もともとあまり会話をするような関係ではなかったものの、話してみると思いの外、意気投合したという。当時は、素敵なママ友ができたと喜んでいたそうだ。
「Aさんは毎日のように我が家へ遊びに来ました。最初のうちは『おうち素敵だね』と褒めてくれたり、手土産を持ってきてくれていましたが、徐々に態度が変化。夫が帰ってくるまで居座るようになり始めたんです。夕食を出したことも何度かありますよ……」