住まい・不動産

祖父が始めたアパート経営の顛末 管理難しくなり廃墟化、近隣トラブルに

終活を意識したアパート経営に落とし穴も(イメージ)

終活を意識したアパート経営に落とし穴も(イメージ)

 年金だけでは不安だからと、定年後にアパート経営を始める人は少なくない。家賃収入は老後資金の足しにはなるが、後々、思いがけない苦労もしかねない。晩年、こんな失敗をした人もいる。

 関西在住の荒井美香さん(仮名・42才)の祖父は、定年退職した後、実家の敷地内の一角に小さなアパートを建てた。ローン返済が終わった後の家賃収入を期待して始めたことだったが、家族には悩みの種となる。

「祖父の死後、祖母は施設に入居し、家は空き家となりました。アパート管理は不動産会社にお願いしていましたが、同じ敷地内に空き家とアパートがあるのは不用心だという意見や、アパートの老朽化もあり、住人に退去してもらうことにしたんです。しかし、家賃を滞納している入居者や、引っ越し資金がないという入居者もいて、解決に時間がかかりました。

 さらにその後、管理が行き届かなくなった一帯は草木が伸び放題で廃墟化し、近隣住民から警察にクレームが入りました。おかげでアパートや実家はいまだに売却できず、ほとほと困っています」(荒井さん)

 多くの一般家庭で、資産の大半を占めるのが実家などの不動産だ。夢相続代表取締役の曽根恵子さんが解説する。

「不動産はお金と違って均等に分けにくいうえ、同居する子供がいたら生前に売却しにくい。さらに昨今の『空き家問題』に見られるように、誰も住まない実家は固定資産税や管理の費用が大変なだけでなく、地方では資産価値がない家の買い手がつかないという問題もある。親にとっては終の住処でも、子供にとってはただのお荷物になりかねないことも考慮し、終活をする必要があります」

※女性セブン2021年7月15日号

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。