コロナ禍でおうち時間が増えたいま、趣味や学びへのニーズが高まっている。趣味を持つことで、生きがいを感じるようになった人も多いだろう。多彩な趣味を持ち、人生を謳歌している歌手の中尾ミエ(75才)に話を聞いた。
日本語版ブロードウェイミュージカル『ピピン』(2019年上演)では、当時73才にして、空中ブランコに乗りアクロバットを披露した中尾。
「来年、再演が決まっていて、もちろん逆さ吊りで歌う場面もあります。おそらく私、最高齢の空中ブランコ乗りじゃないかしら」と笑う。
中尾のパワフルさは仕事にとどまらず、趣味の多彩さにも発揮されている。特に、50才から始めた水泳は、ほとんど泳げない状態から始め、1年後には「ウーマンズ・マスターズ水泳競技大会」(18才以上上限なしの女性が競う大会)に出場。年々記録を伸ばし、世界大会にも参加するほどになった。
「大会を実際に見て、『私も出たい!』と思い、コーチについて特訓しました。私は目標があると頑張れるタイプなの。水泳は全身運動だから体にいいし、リゾートホテルのプールで優雅に飛び込んでみたいという願望もありました(笑い)」(中尾・以下同)
多くの趣味を持つようになった動機は何なのだろうか?
「体が動くうちに楽しめることはやっておきたいと思って。“そのうちに”なんて言っていたら、間に合わないから」
仲間と一緒にどんどん新しいことに挑戦
趣味を満喫する背景には、仲間の存在が大きいと言う。
「私がやってみたいことを『じゃあ一緒に習おう』といって20人くらいでやっているんです。最初は水泳、次は料理、水彩画、書道、フラワーアレンジメントもやったわね。水泳以外は、3年くらいで『はい、次』と、新しい習いごとに変えていくんです。趣味を続けるのも、やっぱり仲間が必要です。励ましたり、褒めてもらったりすると、頑張れるんですよ」