外出自粛が続く中、家飲みを楽しむ人が増えている。夫婦同士で水入らずの晩酌タイムを楽しんでいる人たちもいるかもしれないが、なかには夫婦関係が悪化しているケースもある。そのひとつとして挙げられるのが、外で飲む機会がなくなった夫が、妻に酒を一緒に飲むように強要する“夫婦間アルコール・ハラスメント(アルハラ)”だ。当事者たちの言葉から、その実態を見てみよう。
誘いを断ると夫は豹変して…
「夫が外で飲まなくなってから、お酒に付き合わされて困っています。できれば一人で飲んでほしいのですが……」
そう不満を吐露するのは、メーカーに勤務する30代女性・Aさんだ。夫は新型コロナウイルス感染拡大以前から、外で飲んできても家で飲み直すほどのお酒好きだったそうだ。Aさんも酒は好きだが、夫から毎日のように晩酌に誘われて、その対応に苦慮している。
「私もお酒は好きですけど、早朝に会議がある日の前日や、体調的にベストコンディションではないときは、あまり飲みたくない。そうしたことを理由に断っても、夫は『一杯だけだからさー』と割としつこい。ある時は、『俺のこと、嫌いなのかよ』と拗ねてしまい機嫌が悪くなり、翌朝に口をきいてくれなかったこともありました」(Aさん)
Aさんは面倒くさくなり、『勝手に一人で飲んでよ』と言ったところ、夫から返ってきたのは思わぬ言葉だった。夫は「わかったよ。そっちがそのつもりなら、久しぶりに元カノと飲んでくるわ」と言い放ったそうだ。
「以前から時々、夫がその女性に会っていたことは知っていたのですが、『学生時代の女友達の○○』という表現でした。でも、今回は『元カノ』と言い切ったので、初めて真実を知りました。驚きでしたが、それ以上に思いやりのない言葉がショックでした」(Aさん)
Aさん曰く、夫は「私が夫のことを嫌いになった」と思い込んだままだという。誤解であることを何度も釈明しても、聞き入れてもらえないそうだ。Aさんは、「我慢して毎日夫の晩酌に付き合い続けるか、最低週○日は晩酌に付き合うといった折衷案を提案するか迷っています」と困り顔だ。