大きな音を立てて威圧する夫、家に縛りつけて妻の自立を許さない夫──これらは夫から妻へのモラルハラスメント(以下、モラハラ)に見られるケースだ。
「モラハラとは、倫理や道徳に反した嫌がらせのことで、物理的な暴力以外で相手を精神的に追い詰める行為をさします」とは、離婚問題に詳しい弁護士の齋藤健博さんだ。齋藤さんの事務所では、夫からモラハラを受けたという相談がコロナ禍で1.5倍も増え、大きな離婚理由になっているという。
では、どういう行為がモラハラにあたり、耐えられない場合にはどうしたらいいのか──その対処法を具体的に見ていこう。
●「妻の自立を許さない夫」への対処法
→このタイプは一生支配してくる。別居や離婚を考えては?
「経済的に妻子を支配する夫は、“養っているんだから、おれの言うことを聞け”というのが本音。妻が自立するとその地位を脅かされるので、仕事をすることや外に出ることを極端に規制しがち。こういうケースは別居や離婚を視野に入れて考える必要があります」(横浜心理ケアセンター代表・椎名あつ子さん)
●「音で威圧する夫」への対処法
→幼稚なアピールには無視がおすすめ
「これは自分への忠告に対する幼稚な抗議行動。無視をするのがいいと思います」(齋藤さん)
とはいえ、大きな音は恐怖心を与えるうえ、子供が真似をする可能性も。夜なら子供を安心させる声がけをし、昼なら出かけてしまうのも手。