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コロナ禍で高まる「寄付」への関心 背景に「ICTの発達」「種類の多様化」

多様化する寄付のカタチ

多様化する寄付のカタチ

 コロナ給付金の一部を寄付したいと答えた20代は37%(2020年6月、コロナ給付金寄付プロジェクト調べ)──。なぜいま、若者たちの間で寄付への関心が高まっているのか。

 サステナブルな暮らしをガイドするサービス『ELEMINIST』の副編集長・小嶋正太郎さんに尋ねると、同社でも同様の現象があると教えてくれた。

「昨年12月に『不用品は捨てずに寄付を』という記事を公開したのですが、1年近く経ったいまも1日あたりの平均閲覧数は増えており、大きな関心があることがわかります。記事の後半でも閲覧数が落ちないのは非常に珍しいケースです」

 同社で解析すると、この記事を閲覧していた大多数は、25~40才のミレニアル世代だったという。

「この世代は、サステナブルな取り組みやエシカル消費に関心が高いのが特徴です。社会的にも、2000年頃にモノ消費からコト消費へとその価値が移りましたが、2020年代はさらにイミ消費へとシフトしています。企業やブランドが大切にする想いに共感したときに消費意欲が湧くという傾向です。

 そうした世の中の機運を受けたり、18才の環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんの発言をリアルタイムで追えるなど、情報に多く触れることで、寄付をはじめとする社会貢献への関心が自然と高まっているのではないでしょうか」(小嶋さん)

 寄付全体の大きな流れで見るとどうか。NPOに詳しい寄付アドバイザーの河合将生さんに解説してもらった。

「日本に寄付やボランティアといった支援活動が根付いたきっかけは、1995年に起きた阪神・淡路大震災といえるでしょう。延べ167万人を超えるかたがボランティアに参加し、“ボランティア元年”ともいわれました。そして2011年の東日本大震災。それまでは関心を持った人が個人レベルで活動していた支援活動が、企業単位で支援する形へと広がりました。たとえば『富士フイルム』は、思い出の象徴であるアルバムや写真が泥まみれになってしまった被災地をまわり、写真プリントの洗浄ノウハウやポケットアルバムを提供するなど、本業を生かした貢献活動を行いました。

 ただ、それができない企業があったり、被災地が広範囲に及び、津波や原発の被害、アクセスの困難さ等でボランティアが難しい状況も続き、改めて寄付が注目されました。国民の7割近い人が寄付をしたこの年を“寄付元年”と呼ぶ人もいます」

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