新型コロナウイルスの感染者数が全国的に減少傾向となり、飲食店の時短営業などの規制が解除された。コロナ以前のような生活に着々と戻りつつあるが、そうした中、復活の行方が注目されているのが年末の恒例行事「忘年会」だ。
東京商工リサーチが10月上旬、忘年会・新年会について8174社の企業にアンケートを実施したところ、70.4%(5760社)が「開催しない」と回答。一方で、約3割が「緊急事態宣言やまん延防止等重点措置がなければ開催する」意向だという。コロナ禍で“忘年会離れ”進んだとはいえ、2020年の調査結果の「開催しない」94.2%と比較すれば、1年間で23.8ポイント回復したことになる。
こうした忘年会の復活傾向を歓迎する人がいる一方で、不安な気持ちで過ごしている人たちもいる。世の中には“忘年会ぎらい”の人たちもいるのだ。
11月に前倒し忘年会開催の話が浮上
「コロナ前の生活に戻りつつあるのはうれしいですけど、せっかくなくなった煩わしい恒例行事が復活するのは歓迎できません」
そう嘆くのは、専門商社に勤務する30代・Aさんだ。コロナ以前、忘年会は強制参加で、「まるで良い思い出がない」と振り返る。
「幹事をやれば、選んだ店に対して年配者から文句を言われたり、先輩にビールを注いだりと面倒で、自分は落ち着いて飲めない。幹事でなくても、おじさんの自慢話か説教を延々と聞く羽目になります。年によっては、無理やり一発芸やお酒を強要されたこともあります。2次会のカラオケも強制参加。1次会も2次会も会費が発生するので、お金を払って罰ゲームを受けているようなものでしたから。もう参加したいとは思えません」(Aさん)
コロナ禍で完全に飲み会がなくなったことに安堵していたAさんだが、忘年会復活の兆しに不安の色を隠せない。先日、50代上司がこんな言葉を口にしていたからだ。