機種変更や買い換えなどで使わなくなった古いガラケーやスマホを、家に置いたまま“埋蔵”させている人は多い。“ガラクタ同然”と思っているかもしれないが、実は意外な高値で売れるケースがある。携帯ジャーナリストの石川温氏が語る。
「中古携帯の国内市場はここ数年で急拡大しています。ICT市場を調査しているMM総研によれば、2020年度の中古携帯の取引台数は過去最高の185万台。ビデオレンタルチェーンのゲオやTSUTAYA、大手家電量販店など、多くの店舗が持ち込みでの買取を行なっていて、価格の相場も上がっている」
実際にいくらで売れるのか。まずはスマホについて、ゲオホールディングスの担当者が語る。
「スマホは機種にもよりますが、昨年の平均買取価格は1万4844円でした。電源が入らないものは個人データを消去できないため買取ができませんが、画面は割れていてもOKです。まずは持ってきていただければ、その場で査定させていただきます」
中古スマホの販売や買取を手がける株式会社ビロングによると、特に「iPhone8」など数年前に発売されたモデルの人気が高いという。買取担当者が語る。
「iPhone 8は最大1万1500円、iPhone 8プラスならば最大2万2000円で買い取りしています。機能性が高く、ニーズも多い」
一方、ガラケーはどうか。ガラケーの通信システム規格である3Gのサービス終了を見据え、店舗での買取価格は下がっているようだ。
「ゲオは今年4月から、ガラケーの買取価格が一律で100円になりました」(前出・ゲオ担当者)
他の買取業者でも100~500円が相場になっている。ただし、インターネット上でフリーマーケットが楽しめるフリマアプリの「メルカリ」では、ガラケーの中古端末が2000~4000円で売買されている。メルカリ愛好者は言う。
「実用性よりもコレクションで集めている人がいるので、高値がつきやすいんです。データの削除など個人情報の管理を徹底的に行なう必要がありますが、出品する人は多いです」